SSブログ

He came to take her away

母方の祖母が亡くなりました。










この頃はすっかりボケてしまって、車いすと寝たきりを繰り返し、
でもお嫁さんによく尽くしてもらい、幸せな晩年だったと言えるでしょう。














若い頃は、家で穫れた野菜をリヤカーにいっぱい積んで、
市場へ売りに行ったりしてたそうな。









兄弟の中でただ一人女の子である母は、
後ろからリヤカーを押しながら売り物のトマトをよく食べていたと言います。











私の顔の輪郭は、祖母そのもの。
まんまるで、のっぺりしてて…

あと、分厚い唇も祖母譲りに間違いない。
鏡に映る自分を見て時々、めちゃくちゃドキッとする。
「おばあさん!なぜここに!……あ、私か」














訃報は会社の帰り、家の近くの路上で聞きました。






私はケータイ持ったまま夜の路上をわんわん泣きながら帰りました。




5月に実家の祖父が亡くなったのを聞いたのも、まさにこの場所だった。
しばらくは、ここを通るたび思い出して涙が出そう。


















「(5月に祖父が亡くなったときと違って)安らかな最期で、それだけが救いだったよ」
と母。












思えば、母方の祖父が70歳で亡くなったとき、祖母は
「これからやりたいことがまだまだあるから、しばらく迎えに来てくれるな」
と言ってお別れしたのだとか。





あれから20数年……









母方の祖父は「あの世」でとっくに新しい彼女でも見つけて(!)、
祖母を迎えに来ることなんてもう忘れたんだろうと皆で笑っていた。

そのくらい、「お迎え」から程遠かった祖母。




実家の祖父が亡くなったとき、母方の祖母の容体も一時的に危うくなり、

「自分とこのじいさんも迎えに来ないのに、よそのじいさん(←うちの祖父)について行っちゃダメ」

と、親族みんなで妙な心配をしたものです……












きっと実家の祖父が、「あの世歴20数年」の母方の祖父とあちらでようやく再会し、

「スエさん(←母方祖母)が20年もひとりで居るよ。そろそろ行ってあげれば」

とでも話してくれたのでしょう。









私は今年、父方の祖父と母方の祖母を亡くし、
とうとう父方の祖母だけになってしまいました。









せめて、焼かれてしまう前に会いに行きたい。

仕事休めるかな…代わりのいないポジション、やっぱり休みづらいなあ……














それにしても、5月の祖父のときも今回の祖母のときも、
二人とも「前触れ」に来てくれなかったぞ。

よく聞くじゃない?
最後の挨拶にやってくる、って。



二人ともたいがいボケてしまって、もう私のこと忘れちゃったんだろうなあ…

「東京は広いから見つけられないでいたんじゃない?」
と母。

もしそうなら、神様、彼らを早いとこそちらの国へ…(焦)











20数年間ひとりを楽しんだ祖母は、
その間ずっと待ってた祖父が迎えに来て、今夜旅立ちました。
コメント(0) 
共通テーマ:moblog

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。